2012年10月11日木曜日

FUJIMOCK FESに行ってきました。


FUJIMOCK FESとは、ホールアース自然学校FabLab Kamakuraのコラボによるフェス!!です。
そうそう、ツアーとかじゃなくて、あくまで、

フェス!!

なのだそうです。


なにをするフェスかというと、
まずは秋に富士山のふもとで間伐体験をし、そこで切った木を各自持ち帰ります。
こっちはホールアース自然学校がメインというかんじですね。

そして年が明けて1月から3月のあたりに鎌倉で、
間伐したときの木材をつかってなにかつくろうというものです。
こっちはFabLab Kamakuraメインですね。

というわけで、片道電車で3時間かけて西富士宮まで行ってまいりました。
9:45西富士宮集合ののち、待っていてくださったスタッフの方の運転でメイン会場の田貫湖ふれあい自然塾へ。
40分ぐらいと行っていましたが、もっと早く着いた気がします。

ちなみにその道中スタッフの方が説明してくださったのが、白糸の滝の売店の話。
富士山の世界文化遺産登録に向けて、白糸の滝の近くに50年ぐらいあった売店が景観保護のために撤去された(される?)ということでした。
それって、どうなんでしょうね。俗っぽい人間の営みも含めて「富士山」なんじゃないかなとぼくは思いますけどね!まあいいや。

きれいな空気にきれいな施設!!サイコーですね。
一ヶ月前ぐらいに富士登山をしたときの山小屋がけっこうガチなかんじだったので、若干ビビっていたのです。
あの乾燥した山小屋でぎゅーぎゅーに入れられて仮眠をとらされたのはなかなかの思い出になりました。


集まる参加者の方々

まずはFabLab Kamakuraの渡辺ゆうかさんより、最終的にどんなものをつくることができるのかの説明がありました。
こんなかんじ。

切断した丸太に直接レーザーカッターで加工したもの。
皿として使うものです。
ただしこうした無垢そのままの材は乾いてくるとどうしても割れてしまうらしく、まあいいじゃんそれ自体たのしんじゃおうぜ!というものだそうです。

こちらはたしかデザイナーの方がつくったという木そのままキーホルダー。
構造はシンプルですがとてもいいですよね!
しかしどうやって鍵の円に合う穴を空けたんでしょう。手でガリガリ空けたんでしょうか。
そうだとしたらなかなか骨が折れそうです。


この日のプログラムは「間伐体験」と「森のワークショップ」の2つだったのですが、40人ぐらいいた参加者を2チームに分けて午前午後で交替するということで、ぼくは先に「間伐体験」を行なうチームでした。

というわけで、田貫湖ふれあい自然塾よりさらに車で10分ぐらいの森のなかへ。
ヒノキだらけの人工林です。

木こりさんたちによる間伐の説明。
ちなみにこの木こりさんたちはTENKOMORIという静岡・天竜の林業関係者による団体の方々でした。

動画を撮ったのでまずはそれをご覧下さい。

説明してくださっている木こりさんは最近営業が多いらしく、少し緊張していらっしゃいましたw
木こりの営業とはなにかというと、山主さん(でいいのかな?山林所有者)のところへ行って、間伐しませんか〜という営業だそうです。


間伐時に使われる斧。
どういうふうに使うかというと、ひとつは宗教的な意味合い。
山の神様、木の神様、切らせていただきますアーメンということです。
この斧をこれから切る木に立てかけて、一礼します。

写真にあるように、線形の刻みがついているのは日本特有のものだそうで、
片側の4つの線は土、水、風、日(「火」だと燃えてしまう!)を、もう片側の3つの線はお神酒(酒、米)と塩を表しています。

また実用的にも使われていて、動画の5:03や5:55あたりで、木に入れた切れ込みにラバーのようなものをはさみ、それを斧の切れない方でトントンと叩いています。

ただ実際に斧としては使われないんでしょうかね?枝を切ったりするときぐらいには使われるんでしょうか。


木こりさんが切ったヒノキの一部を参加者に回してくれました。
とても強いにおい(いいにおいですが)。

むかしハンズでなんの木材かわからない端材を買って研究室のCNCミリングマシンで切削したら、ものすごく強いにおいを発した木材があったんですが、それがヒノキであったことにこのとき気がつきました。
そのときは各方面から苦情が来たのですが、このときの参加者のみなさんは「いいにおい〜」と!
田舎のくせにヒノキをいいにおいと思えないSFCのみなさんにはぜひ見習ってほしいですね。

それにしても木のにおいってけっこう特徴あるんですねぇ。

ヒノキを嗅いだら粉塵がお鼻についてしまったお茶目なFabLab Kamakura代表渡辺ゆうか氏。


説明が終わったのち、3グループに分かれて実際に間伐します。

木「うがーーー」

動画を見ていただけるとわかるかと思いますが、このような「口」を空けます。
上のものは倒す方向に空ける「口」で、「受け口」といいます。

ぼくたちは木の近くに置いてあるのこぎりで切ったのでめっちゃ疲れた。


受け口の反対側には「追い口」を空けます。
ラバーのようなものをトントンしていたところですね。

ちなみに受け口の下の位置に対して追い口はけっこう上に来ていますが、これは日本の伝統的な手法だそうです。
で、最近、北欧かどっか林業が盛んな国の有名人に「いや、受け口の下の位置と追い口の高さは同じでいいんじゃないか」と助言をもらったそうです。
言うなればジーコが日本のサッカーの部活を見て「うさぎ跳びはやめたほうがいい」と助言してくれたようなかんじでしょうか。違うか。

ついでになぜかということを説明します。
受け口と追い口のあいだは少しだけ切らずに残して、最後に手で押したりロープで引っ張ったりして倒します。
つまり力を入れれば倒せるけど、そうでなければ倒れないぐらいで一度とめておくわけです。

その少しだけ切らない調整が、受け口と追い口の高さが同じ方がやりやすいんじゃないか、ということだそうです。

ぼくたちが体験したところはけっこう平らなところだったのですが、実際には急斜面でやったりする場合もあるらしく、そういうときそのへんの調整はけっこうむずかしいんだそうです。

奥が深いですね〜。


切り株。
年輪がついていますが、実際に生きているのは一番外側の茶色い部分だけとのこと。
ここに導管・師管が通っていて水を供給しているのだそうです(たぶん)。
なのでこの茶色い部分のどこかを一周ぐるっと傷つけてしまうと木は枯れてしまうらしく、それを使って間伐する方法もあるのだそうです。

なんで傷つけられやすい外側にそんな大事な機能を持ってきたんでしょうね、木は。
人間の血管は中のほうにあるぞ!!どうだ!!

その外側の茶色っぽいぶぶんはするするっとはがすことができちゃうのですが、
はがすと「果物かっ!」ってつっこみたくなるぐらいのみずみずしさ。
だからするするっとはがせちゃうんですね。

これを持って帰ってなにかつくります。


つづいて「森のワークショップ」へ。
猟師をやりながらホールアース自然学校で働いているスタッフさんにより、森のあれこれを森を歩きながら習います。

シカが木の皮を食べたあと。
もしこれが一周ぐるっと食べられちゃっていると、枯れちゃうわけです。

「日本の森林面積は国土の何割?」の質問にはほとんどの人が「7割」と正解でしたが(ちなみに正確には66%。2/3と覚える)、こちらはみなさん不正解。
ほとんどの人が人工林のほうが多いものと思っていたら、意外にも天然林の勝利。

というわけで日本は森林大国なわけで、間伐材も余っているのだそうですが、日本で使用されている木材の8割が輸入だそうです。
こうした問題を解決しなきゃですね。


いちばん驚きだったのがこちら。
ここだけ地面に草が生い茂っています。
そう、ここはちゃんと間伐が行なわれたところなのです。
他の部分はスギやヒノキで太陽光が地面まで届かず、他の植物が生えないんです。地面が茶色いですよね。
つまり間伐は、森に多様性を持たせるのにとても重要なことなのです。

ちなみにここでも動画を撮っていたのですが、そのことがよくわかる部分がちょうど映り込んでいました。

0:38あたりに草が茂っている地面が見えますか?
ここ意外の地面は茶色いですが、ここだけ緑が目立ちますよね。
光が入ってきていて明るく、中くらいの背丈の草もありますよね。

いやぁここまで森は素直なのかと感心してしまいました。


ちなみに猟師もやっているスタッフの方に見せてもらったお宝。

イノシシの牙。中が空洞になっています。
さきっちょを自分の歯でいつもガリガリやってとがらせているそうです。
そのままだと手が簡単に切れちゃうぐらい尖っているそうですよ。

シカの角。
これは捕まえたシカの角を切ったものなので毛が残っていますが、春先には人間の髪の毛みたいにあ勝手に抜けるらしく、角がそこらに落っこちているのだそうです。



持って帰って乾燥させる。

例の外側の茶色っぽい部分をはがすとこんなに美しい素肌を見せてくれます。
めっちゃつるつる。

枝もはがすとつるつる。
はがさないのもいいなと思ったので片方だけはがしました。



というわけで、次は年明けての鎌倉セッション!
CNCミリングマシンを駆使してなにかつくろうと思います。


ちなみに一緒に参加されていたロフトワークの中田さんのブログがすばらしいので、そちらもぜひ!

0 件のコメント:

コメントを投稿